今週の書評で気になった本 1月第3週

1月20日(土)毎日新聞書評欄より


書名:翼 李箱作品集

著者:李箱

訳者:斎藤真理子

出版社:光文社

レーベル:光文社古典新訳文庫

価格:1,100円(税込)

ISBN: 978-4-334-10129-9

「いま、息をしている言葉で、もういちど古典を」

という信条のもと2006年に刊行が開始された光文社古典新訳文庫。造形作家の望月通陽氏の表紙が特徴的なレーベルで、書店で見かけた覚えのある方も多いのではないかと。

名前の通り、主に取り扱っているのは古典と呼ばれる作品群。既に翻訳されて文庫にもなっているものが大半。直近だと井原西鶴の『好色五人女』やブラム・ストーカーの『ドラキュラ』なども訳されているそうです。その他もどこかで見聞きした覚えのある作家や作品ばかり。

そんな中に、耳に馴染みのない著者。20世紀初頭の日本統治期の朝鮮に生まれ、そして渡航した先の東京で亡くなった詩人、李箱(イサン)。詩集や集成として日本語訳はなされてきたものの、文庫となったのは今回が初なのだとか。光文社古典新訳文庫はそういう仕事もしているのか、と己の不見識を恥じました。

書評の中でも紹介されている詩「十三人の子供が道路を疾走する。/(道は行き止まりの路地が適当である。)」に不思議な引力を感じる一冊。

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