今週の書評で気になった本 4月第3週

4月20日(土)毎日新聞書評欄より


書名:カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」

著者:室橋裕和

出版社:集英社

価格:1,320円(税込)

ISBN:978-4-08-721308-9

あなたが住む町のどこかにも何故かある、でっかい焼きたてのナンと小ぶりでスパイシーなカレーを出してくるお店。

従業員はおおよそ本国らしい方々で、お手頃なお値段で無限にナンがお代わりできる。というかお店によっては頼んでもないのに持ってくる。

大体そういうお店は「インド・ネパール料理」と掲げているけれど、どの店も看板料理はバターチキンカレー。

特別に期待してお店に入るわけではないけれど、「まぁこの手の店ならよほどじゃない限り大体なんとなくウマい」が経験則としてある。


そんな「インネパ」料理屋の裏側、働いている人々の実状、何故この手の店が増殖しているのか、等々を追いかけた先にあったのは、「海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀」(HPより)だった―


私自身、この手のお店はわりと行っています。

うちから程近いニュータウンの中にも一件あるし、時折行くショッピングセンターの中にも一件。それ以外にもあそこだとかあの辺だとかあとあそこにもあったな等々、挙げればきりがないほどにそこかしこにあります。

昔働いていたところの近くにもあって(最近その辺りに行ったらまだまだ健在でした)、ランチ時に行ってナンをたらふくお代わりするものだから、いよいよ初手で2枚盛りされたのは恥ずかしい思い出です。「あいつどうせ食うから最初から2枚にしとこ」って魂胆だったのでしょうね。そうですね。

とはいえ、その裏側ってのが気になっていたのもありました。というのも、店によっては明らかに人員過剰な状態で回していたりするわけです。普通こういうとこって最悪店主のワンオペか、はたまたご家族かいっそバイトの一人か二人で回して何とかなるってものでは?というような環境でも、なんやら厨房には三、四人ばかりいて、それとは別で給仕さんもいたりする。べらぼうに回転率がいいわけでもないし、もちろんお値段は安い。どういうからくりなんだろうかと。

あの手の店を愛好している一人として、この本は手に取った方が良いものだろうなァと思いました。


ここしばらく訳もなく書評ブログの更新が滞っていましたが(BOOK PORT CAFEに置いてある書評スクラップは更新されています)、再開します。

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