国会図書館へ『最高の三十代 ~Perfect SAN-JU-DAI』を納本した話

先日、永田町にある国立国会図書館へ行ってきました。

目的は、一昨年作成した同人誌『最高の三十代 ~Perfect SAN-JU-DAI~』の納本です。


少し前に、ひょんなことから「ISBNも振っていない、商業流通に乗せていない完全私製の同人誌」も条件次第では納本制度の対象になりうるということを知りました。いわく、

①発行部数が相当数あること(電話口で聞いたときは100部ほどとのことでした)

②頒布を目的に作成されたこと(通販・店頭でのご購入ありがとうございました)

③背がしっかりとしている製本されたものであること(ホチキス綴じなどは駄目)

などなど。そしてこの辺が今回の同人誌は上手いことクリアしていた次第です。


この納本制度というものは国立国会図書館法というものに規定されたものらしく、発行者は国内で発行されたすべての出版物を国会図書館へ納本する義務があるとのことです。民間出版物は発行後30日後までに納本するよう求められていて、発行者が正当な理由なく納入しなかったときは、その出版物の小売価格の5倍に相当する金額以下の過料に処せられることと定められているそうです。一度も適用されたことがないそうですが。

事実、この同人誌についてもそんな罰則の話など全く耳にしていませんし(元よりそんな精度があってそれの適用対象であることすら知らなかった)、今回の納本について1年半前に作成したものである旨を確認したところ、大丈夫ですよとアッサリ了承いただきました。

余談ですが、納本そのものは別に直接赴かずとも郵送などでも対応可能です。電話口でもそのことを確認されましたが、せっかくならば一度国会図書館へ行ってみたいでしょう、ということで直接の納本を選びました。そうそうある機会ではない。

また納本には無償で寄贈する場合と、納入出版代償金というものを頂戴して販売価格の半分ほどの金額を頂戴して納本する場合とがあるそうですが、後者は諸々手続きも煩雑そうであることと元より営利的な活動でもないとのことで前者の寄贈を選びました。



ということで、途中溜池山王の無人本屋に立ち寄りながら駅を出て、首相官邸や議員会館に国会議事堂などなどが立ち並ぶ永田町バイパスをお散歩しながら(あの通りの緑地や街路樹はさすがにびしっと手入れされていて見ごたえがありました)国会図書館へ向かいました。

一般利用者が向かう東口とは反対側、西口へ来るよう言われていたのでそちら方面へ。明らかに職員・業者用の出入口へと入って、左手の警備員さんへ納本に来た旨をお伝えする。ささっと受付の対応をしてもらって入館証バッジを受け取り、まっすぐ行って突き当りを右、そのまま直進して突き当たる手前の右側に窓口があるから、と納本窓口への道順も丁寧に教えてもらう。率直に感じが良かったです。

教えられた窓口へ行ってブザーを鳴らし、やってきた職員さんに改めて納本の旨をお伝えする(なお特に日時指定はしていなかったし求められることもなかったです)。紙に受付者の名前と住所、納本する書籍名と冊数を記入して、納本する現物をお渡しして、納本受領書を頂戴して手続きが終了しました。その間およそ3分くらい。多分。いやもっと短かったかもしれない。

お礼をお伝えしてその場を後にし、さっきと逆回しで出口にすすっと向かって再びの受付でバッジを返却して、お終い。

本当にあっという間に納本が完了しました。


無論、ここまで来てただ納本をしてサヨウナラなどと言う勿体ないことはせず、きちんと一般利用もさせてもらいました。

入館するにはまず登録が必要とのことだったので、まずはそれを済ませるために東口からさらに東隣にある新館入口へ。タイミングが良かったのか、これも存外アッサリと受付完了してICカードを発行してもらいました。入退館時のゲート、館内に置かれた端末の利用に使用するそうです。

実際の利用に関して。ほとんどの資料は閉架されているので、閲覧したい資料(貸し出しはなし)を先の端末から入力して申請して、待つこと20~30分で中央のカウンターに資料が届くという仕組みになっていました。

今回私がお願いしたものは別に特殊なものではなく、それこそ横浜市の図書館で借りれる程度のものだったのですが(藤沢にはなかった)、求めているものがより専門的なもの、所蔵されているところが極めて限られるものだったりする方ならば、何よりも有難い場所なのだろうと思いました。

返却した図書はバケットに入れられコンベアで運ばれ、恐らく地下にある書庫へと戻されるのでしょう、その機械がカウンターの中にあって、ついまじまじと眺めてしまいました。ああいう機構好き。


そして、忘れてはならないのは、食事。メシです。

本館6階にある食堂でカレーを食べてきました。やはりこういうところで頼みたくなるのはカレーです。特盛もあるとのことで、大変浮かれていた私はいけるじゃろと特盛で注文したのですが、ダイソーとかで700円くらいで売ってそうな2人用ステン鍋みたいなので出てきました。ちょっと面白かった。味は大変美味しかったです。


こんな感じで、無事国立国会図書館の検索で『最高の三十代』が出てきました。まだ閲覧はできないようですが、それもいずれなのでしょう(きっと膨大な数の書誌が日々納本されているのでしょうし)。

また『最高の三十代』は現在BREWBOOKS内のBOOKSELLER CLUBにて在庫しているもので全部となります。


刊行時に開いたイベントの物販で使用していたポップも添えてあります。勢いよ。

再版の予定はありません。お手に取ってもらえると嬉しいです。


同人誌作るぞとなったタイミングでは納本の話など何ひとつ考えておらず、故に寄稿者の方々にもそんな風に扱いますよという話は一切していなかったのですが(まぁ先の法律に則れば原則納本義務あるものになるわけですが)、私が納本のことを知ってから改めて皆さんに声掛けしたところ全員から快諾を頂戴したことで、この度納本する運びとなりました。

改めて厚く御礼申し上げます。みんなありがとう。

こんぶトマト文庫のふみくら

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