4月29日(月)2時13分

深夜の雰囲気が昔から好きで、名古屋にいたころもよくあちらこちらを徘徊していた。

吹上にあるらくだ書店本店は、その頃毎日0時まで営業していたのでよく通っていた。たまに雑誌や文庫を買っていたけれど、何も買わずに出ることも多かった。

深夜のファミレスで延々とだべっていたい気持ちが今もなおある。まるで大学生のようだ、などと思ったけれど、今どきの大学生やそれくらいの若い人たちにはそういう風習があるのだろうか。コロナ禍以降、深夜まで、あるいは明け方まで、なんなら24時間営業している飲食店も減ったような気がする。でも磯丸水産は今も24時間営業していたし、今日見かけた北海道ラーメン伝丸も24時間営業を掲げていた。はたして需要があるのか。あるからやるのか。


アルコールの類は飲まないし、いわゆる水商売と呼ばれるお店にも縁がない。そうなると行先はコーヒーショップ、ミスタードーナツ的なお店が望ましい。安いコーヒーがいくらでも出てきて、かつ深夜までやっている。これも同じく名古屋の土地だが、千種のラウンドワンの下にあるミスタードーナツは随分遅くまで営業していた。それこそ、深夜まで。日中は若者たちがわいわいがやがやと集う場であったけれど、深夜帯のお店にはやはり一癖ありそうな人が現れやすく、日中とは異なる雰囲気を呈していた(きっとこれはミスドに限らず、飲食店をはじめとしたあらゆる小売店に共通していることだと思う)。山のように本を積んでちびた鉛筆を走らせながら何かを勉強していた人が印象に残っている。ただ一回見ただけならそうでもないのだけれど、何度も何度も、それこそ数年越しで目撃していた。今はどうしているのか。そんな千種のミスドも去年閉店してしまった。


前後を合わせると、つまるところ

「ド深夜までやっててやっすいコーヒーをいっくらでも出してくれる本屋」

があれば私はハッピーなのだろう。コーヒーが美味しいものである必要は一切ないし、なんならコーヒーじゃなくてもいいかもしれない。


今日、沼津にある書肆ハニカム堂さんへ行ってきた。おおよそ土日祝の14~18時営業の古本屋さんなのだが、今日は24時まで営業していた。

深夜までやっている古本屋さんと言えば尾道にある弐拾㏈さんが挙げられる。あそこもいつか行ってみたい気持ちがあるが、いかんせんとても遠い。そこへ来ると沼津は山一つ越えたらすぐに行けるじゃあないか、という気持ちが夕方くらいに芽生え、そしてそのまま直行した。

ついでにハンバーグのお店「さわやか」へ行こうとしたのだけれど、20時時点で既に予約満了のため入店不可だった。23時閉店のお店を選んだのでいけるか、と思っていたが全然だめだった。恐ろしい。


深夜、おおよそ22時頃にお店について、店内を見て回っていた。

先日神奈川近代文学館へ行って橋本治を知り、何か読みたいと思っていたところにちょうどいい感じのものがあったので1冊。別の日に買った筑摩選書の『岩波書店の時代から』を読んでいたら出てきた雑誌「へるめす」がたくさん置いてあり、一度読んでみたいななどと思っていたらあったのでそれも1冊。あと小川国夫と木山捷平を1冊ずつ。計4冊買った。

レジ横にあった『裸のラリーズ詩集』に反応してしまう。店主の私物らしく、未開封で置いてある。思えばラリーズは正しく聴けていないと思っているので、改めて向き合う時間を設けたい。


そういう店をやりたいならば自分でやるのが一番だろう、という思いはずっと自分の中にある。でも今のところ動く気が無い。先立つもの以前の、意欲が無い。そのうち降りてくるのかもしれないし、何もないまま終わるのかもしれない。

それはさておき、今日はとても楽しかった。

こんぶトマト文庫のふみくら

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